「リウマチを乗り越えて 」 A.F. 62歳

 私が先生の病院を訪れてから早8年が経ちました。発病当時のリウマチの痛さ苦しみは、今となっては遠い日の出来事のようです。とはいえ、天候が変わる前日は、やはりあの云うに云われぬ不快感が襲ってきます。そんな時娘は、「お母ちゃん、明日は雨が降るんとちがう?」と言って私を笑わせてくれます。「お母ちゃんは気象台の天気予報やなあ。」この私のたった一人の娘の出産が、私の人生を大きく変えたのです。(この方は漢方煎剤だけを使って治療してきた方です。当院で鍼灸治療をし始めた頃にはリウマチのほうも随分と良くなり漢方煎剤だけで十分であった人です。)

 高齢出産のためか妊娠中毒にかかり、主治医の先生は「仕事を休んで自宅で安静にするように。」と忠告して下さいましたが、無理を押して仕事を続けて出産。産前の苦しい日々は、可愛い女児の恵まれ、どこかへ吹き飛んで行きました。産後も私の体の回復は遅く、そんなある日、出産後半年経った頃でしょうか、突然の事、指の激痛に襲われました。病院の先生にリウマチと診断を受け、私は呆然としました。50代半ばでこの世を去った母親のことを思い出したからです。母もリウマチに体をむしばまれ、病気と闘いながらの人生でした。人一倍努力家の人だけに思うように動けないのが何よりも辛く、台所の隅で泣いている姿が思い出され、この病気だけにはなりたくないと娘心にこの病気を恨んだものです。体質的にも線病質な母似の私だけがこの病気にかかるなんて、このリウマチの痛みは他人には理解してもらえず、夫には怠け病であるかのように言われ、毎日が針のむしろのような生活でした。とにかく1日も早く健康を取り戻したいと養生しました。幸い、リウマチはそれ程進まず、何とか仕事もできるようになり、アッという間に10年が過ぎました。でも幸せな日々も長く続かず、娘の高校受験を控えた昭和57年だったでしょうか、またもや、あの恐ろしい激痛が私を襲いました。もう忘れかけていたあのリウマチが再発したのです。(その間現代医学で免疫を抑制し関節の変形も出てきていたのですが、突然に悪化するのは抑制が解除されてしまったからです。この現象はアトピーの場合と似ています。子供の頃にアトピーを現代医学で抑制したあと数年アトピーが治ったように見えることがあります。ところが突然にアトピーが一層悪化して現代医療で抑制することさえできないことに似ています。)二度目のリウマチの凄まじさは口には言い尽くせません。あっちこっちの病院の門を叩き、八方手を尽くしましたが、がんとしてその威力は衰えません。その上、化学療法は副作用がひどく、途方に暮れていた矢先、西宮の漢方療法の病院を紹介され通い出したのですが、通う辛さに耐えきれなくなりました。そんな時、友人が「高槻に漢方療法の病院があって、遠いところからでもたくさんの患者さんが通っているそうよ。」と勧められ、藁をもすがる思いで、松本先生の病院に行きました。

 松本先生は、「漢方療法は即効性はなく、長く続けてまず体質を改善することが先決です。私を信じて気長に治療を続けて下さい。共に戦いましょう。」と力強く励まして下さいました。(この頃は漢方煎剤だけでリウマチを治療していたものですから現代のような鍼灸をも用いた治療ほどリウマチの症状は良くならなかったものですから、そのころは正直にこのような言い方をしたのです。勿論、現在は絶対治してあげますと言えるようになったのも、漢方煎剤と鍼灸の両方を用いるようになった後であります。)私は来る日も来る日も煎じ薬の臭いを部屋の中に充満させ、必死の思いで漢方薬を飲み続けました。とはいってもなかなかその成果が表れないと焦って、何度もくじけそうになる時、病院に行くと同じような痛みに苦しむ人たちが、「まあ、気長にリウマチとお付き合いしましょうよ。」と明るく言い合っている姿を見て勇気づけられたものでした。

 月日は流れ、娘も大学を卒業し、結婚。私もいつの間にかあんなにひどかったリウマチの痛さが薄らいで、指こそ曲がっていますが何とか使えて不自由はなくなり、足の指も同様に変形していますが、何とか元のように歩けます。(もともと出会いが遅かったので関節の変形が生じてから来られたものですから、漢方煎剤だけでは不充分なのです。鍼灸を薦めたことがあるのですが日常の生活には全く支障がないので漢方煎剤だけを飲んでおられます。勿論、鍼灸もされれば変形は徐々に正常に戻っていきます。)先生も検査の結果が大変良く、やっと効果が出てきたと大変喜んで下さいました。「不治の病 」と言われたリウマチと松本先生は闘い、リウマチに悩む多くの人たちに希望の光を与えて下さり、私に生きる勇気を与えて下さった先生に感謝の気持ちでいっぱいです。これからも何卒よろしくお願い申しあげます。(この方は欧州旅行も楽しめるようになり、漢方煎剤だけで日々の生活には全く支障がありません。鍼灸も強力に行えば完治への道は近いのですが、この患者さんはリウマチとの共存に何の不満もないようです。この方のデータは長期に渡っているので省きました。しかし一番高いRAPA5120320まで改善しています。)