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当院が勧める食事
Dietary Guidance

当院が勧める食事

ミトコンドリアの糖代謝を高める
人類にとって健康的な食事

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はじめに — 食事は身体の土台

食事は身体の土台

「We are what we eat(私たちは食べたものでできている)」という言葉があるように、日々の食事は私たちの身体そのものを形づくっています。食事から摂取した栄養素は、細胞の修復、ホルモンの産生、免疫機能、神経活動など、生命活動のあらゆる場面で利用されています。

しかし現代社会を見渡すと、私たちを取り巻く食環境は決して自然とは言えません。加工食品や清涼飲料水には多くの添加物や人工甘味料が使用され、畜産物の多くは遺伝子組み換え飼料や薬剤を用いた工業的な飼育環境で生産されています。野菜や果物も農薬の影響を受けることが少なくありません。

当院の考え方 — ホリスティックな視点

当院では、「病気だけを見る医療」ではなく、身体全体を整えるホリスティックな視点を重視しています。古代ギリシャの医聖ヒポクラテスは、「適切な食事、新鮮な空気、十分な睡眠、適度な運動と休息」が健康回復に必要であると説きました。当院でも、この考え方を大切にしながら、慢性疾患の根本改善を目指す身体づくりの一環として食事指導を行っています。

当院が勧める「健康的な食事」とは?

人類は約250万年前に誕生して以来、その歴史の95%以上を狩猟採集生活の中で過ごしてきました。農耕が始まったのは約1万年前に過ぎません。そのため、私たちの身体は本来、狩猟採集時代の食事に適応しているという考え方が当院が勧める食事の基盤となっています。

当院が勧める食事の特徴

良質な糖質を積極的に摂る

ハチミツ、果物、黒糖、てんさい糖、ココナッツシュガーなどの糖質を活用し、ミトコンドリアで糖を完全燃焼できる状態を目指します。

良質なタンパク質を補う

コラーゲン、ボーンブロス、乳製品などから質の良いタンパク質を摂取します。

油は飽和脂肪酸を中心とする

ココナッツオイル、バター、チーズなど、酸化しにくい飽和脂肪酸を選びます。

多価不飽和脂肪酸(PUFA:プーファ)フリー

植物油や魚油などの多価不飽和脂肪酸は酸化しやすく、脂質過酸化産物の増加につながる可能性があります。

穀物・食物繊維の過剰摂取を避ける

小麦・玄米などの過剰摂取は消化負担を増やし、ミトコンドリアの機能を低下させる可能性があります。

根菜類を活用する

人参や芋類などの根菜類は、自然に近い形で糖質を摂取でき、体に優しいエネルギー源となります。

1. 炭水化物について — 糖は本当に悪者なのか?

「糖質悪玉説」は偏った考え方

近年、「糖質制限」が健康法として広く知られるようになりました。白米やパン、麺類だけでなく、糖質全般が悪者のように扱われることも少なくありません。しかし当院では、この「糖質悪玉説」は極めて偏った考え方であると考えています。

グルコース(ブドウ糖)は、私たちの身体にとって最も重要なエネルギー源です。特に脳はグルコースへの依存度が高く、不足するとストレスホルモンの分泌が増加し、身体は緊急事態として対応せざるを得なくなります。

重要なポイント

問題なのは「糖を摂ること」ではなく、「どのような糖を、どのように摂るか」なのです。

良質な糖質

ミトコンドリアの糖代謝

細胞の中には、「ミトコンドリア」というエネルギー産生工場があります。食事から摂った糖質は、以下の過程を経てエネルギーとして利用されます。

1

グルコースに分解される

2

解糖系でピルビン酸になる

3

ミトコンドリアへ運ばれる

4

クエン酸回路を経る

5

ATPが産生される

グルコース1分子からは、理論上38分子のATPが作られます。当院では、この「ミトコンドリアで糖を完全燃焼できる状態」こそが健康の基本だと考えています。

糖質制限やケトン食への考え方

極端な糖質制限やケトン食では、エネルギー源として脂肪利用が優位になります。しかし当院では、これは「緊急時の代謝」であり、本来の状態ではないと考えています。

低血糖によるストレス反応

糖不足により、身体は緊急事態として対応し、ストレスホルモンが分泌されます。

コルチゾール上昇

糖不足によりストレスホルモンが増加し、慢性的なストレス状態が続く可能性があります。

脂肪分解亢進

代償的に脂肪分解が進み、脂質過酸化産物が増加する可能性があります。

脂質過酸化産物の増加

脂肪代謝が優位になると、活性酸素種の増加が懸念されます。

慢性的なエネルギー不足

本来のエネルギー源である糖が不足すると、身体全体のエネルギー産生が低下します。

推奨しない食事法

当院では、糖質制限、ケトン食、ファスティングなどは基本的に推奨していません。

推奨する糖質

ハチミツ

古代から利用されてきた糖質。グルコースとフルクトースが単糖として存在し、消化負担が少なく、速やかに吸収されます。微量栄養素も豊富です。

果物

フルクトースを含む天然の糖質。ビタミン・ミネラル・ポリフェノールも同時に摂取でき、エネルギー代謝に有利に働きます。

黒糖

ミネラルが豊富で精製度が低い糖質。ミトコンドリアのエネルギー産生をサポートする副次栄養素も含んでいます。

てんさい糖

ビート(テンサイ)から精製された天然糖質。グルコースとフルクトースをバランスよく含みます。

ココナッツシュガー

ココナッツの花から採取された天然糖質。ミネラルが豊富で、精製白糖に比べて栄養価が高いです。

グルコースとフルクトースの組み合わせは、エネルギー代謝に有利に働くと考えています。これらは単糖として存在し、速やかに吸収され、ミトコンドリアへのエネルギー供給がスムーズになります。

ハチミツ療法のすすめ

ハチミツ療法

当院が最も推奨している糖質がハチミツです。ハチミツは古代から利用され、疲労回復、創傷治癒、咳や便秘の改善、風邪症状の軽減などに活用されてきました。

ハチミツの利点

  • グルコースとフルクトースが単糖として存在する
  • 消化負担が少ない
  • 速やかに吸収される
  • 微量栄養素も豊富

当院推奨のハチミツの条件

  • 非加熱
  • 人工給餌が少ない
  • 抗生剤や農薬使用が少ない
  • ガラス瓶保存
  • 花粉を含む
  • シロップ添加がない

当院では、これらの条件を満たした関西産のハチミツを患者さん向けに提供しています。

マヌカハニーについて

マヌカハニーは抗菌作用で有名ですが、その作用の中心であるMGO(メチルグリオキサール)は、生体にとってストレス物質として働く可能性があります。そのため当院では、長期にわたる積極的な摂取は勧めていません。

控えたい糖質

小麦製品

グルテンによるリーキーガットの原因となる可能性を考慮し、控えめにするよう勧めています。

食物繊維の多い穀物

過剰な食物繊維は消化に負担をかけ、ミトコンドリアの糖代謝を妨げる可能性があります。

バナナなどの輸入品

輸入バナナなどは品質管理に注意が必要です。国産の旬の果物を選ぶことを勧めています。

海藻類の過剰摂取

食物繊維やアルギン酸が多く、過剰摂取は消化負担を増やす可能性があります。

増粘剤(グアーガムなど)

加工食品に多く含まれる添加物で、本来の身体に必要ない物質です。

白米と玄米について

白米は完全否定ではありませんが、一食茶碗一杯程度を目安としています。玄米はフィチン酸などの抗栄養素の問題から積極的には勧めていません。

糖質の摂取量について

厚生労働省は炭水化物を総エネルギーの50〜65%としています。当院では、65〜70%程度まで高めてもよいと考えています。

重要なのは「でんぷん中心」ではなく、ハチミツ・果物・黒糖などの単糖類・二糖類を活用することです。

2. 脂質について — どの脂質を選ぶかが重要

脂質の役割

脂質は、細胞膜の材料、ホルモンの原料、臓器保護、体温維持など、重要な役割を担っています。しかし重要なのは、「どの脂質を選ぶか」です。

脂肪酸は大きく3つに分けられます。それぞれの性質を理解し、身体に適した脂質を選ぶことが、健康な食生活の基本です。

脂質について

脂肪酸の種類

飽和脂肪酸(SFA)

二重結合なし。酸化しにくく、安定している。

ココナッツオイル、バター

一価不飽和脂肪酸(MUFA)

二重結合1つ。比較的安定。

オリーブオイル

多価不飽和脂肪酸(PUFA)

二重結合2つ以上。非常に酸化しやすい。

植物油、魚油(EPA・DHA)

推奨する脂質 — 飽和脂肪酸中心

ココナッツオイル

90%以上が飽和脂肪酸で、酸化しにくく調理油として最も推奨しています。

バター

飽和脂肪酸を含む乳製品。加熱調理に適しており、安定した脂質です。

チーズ

タンパク質と飽和脂肪酸を含む。質の良い製品を選ぶことが重要です。

牛乳

飽和脂肪酸とタンパク質を含む。飼育環境に配慮した製品を選びます。

反芻動物の脂肪

牛・羊などの自然な脂質。抗酸化性が高く、安定したエネルギー源となります。

ココアバター

飽和脂肪酸を主成分とし、安定した脂質。チョコレートの原料としても知られています。

特にココナッツオイルは90%以上が飽和脂肪酸であり、調理油として最も推奨しています。酸化しにくく、高温調理にも適しています。

MCTオイルについて

MCTオイルは中鎖脂肪酸ですが、ラウリン酸が少ない、脂質をエネルギー源とする考え方に基づく、加熱調理に向かないなどの理由から、積極的な使用は勧めていません。使用するなら少量を生食で利用する程度が望ましいと考えています。

オリーブオイルについて

オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸が主体ですが、加熱には向きません。エキストラバージン・遮光瓶保存・生食で少量、を基本としています。

避けるべき脂質

植物油(大豆油・菜種油・コーン油など)

多価不飽和脂肪酸(PUFA)が多く、酸化しやすく、脂質過酸化産物の増加につながる可能性があります。

魚油(EPA・DHA)

多価不飽和脂肪酸であり、酸化しやすい。長期的な過剰摂取は体にストレスを与える可能性があります。

マーガリン

植物油を加工した製品で、トランス脂肪酸などが含まれる可能性があります。

まとめ

当院の食事指導は、「○○を食べれば治る」という単純なものではありません。私たちは、慢性疾患の背景にはミトコンドリアのエネルギー代謝低下が存在すると考えています。そのため、以下のことを重視しています。

良質な糖質を十分に摂る
ハチミツや果物を活用する
穀物や加工食品を減らす
酸化しにくい飽和脂肪酸を選ぶ
PUFAの過剰摂取を避ける
自然に近い食材を選ぶ

食事だけですべての病気が治るわけではありません。しかし、身体をつくる土台である食事を見直すことは、慢性疾患の根本改善に向けた大切な第一歩です。本ページが、「何を食べるべきか」だけでなく、「なぜその食事を選ぶのか」を考えるきっかけとなり、ご自身の健康と向き合う一助となれば幸いです。

食事指導について相談したい方へ

当院では、患者さん一人ひとりの食生活を丁寧にヒアリングし、ミトコンドリアの糖代謝を高める具体的な食事指導を行っています。まずはお気軽にご相談ください。